林恵蘭

生命の脈動が聴こえる植栽アーティスト

40才という年齢は心と体が発展する重要な分水嶺です。その時期を境に、人生のめぐりあわせはそれぞれ異なっていきます。

それ以前までは役所勤めで前途洋々の公務員でしたが、血液のなかは美を探究したいという細胞で満ちていた彼女は、形の変わった石や枯れ木などに特別な感情を抱き、これと思ったものは一つ一つ大切にしまっていました。林恵蘭先生の仕事場である「麻雀窩」に入ると、彼女の独特なセンスを感じることができます。彼女の日常は、その目のなかでいつも異なった風貌を見せています。例えば、簡単にサツマイモを整えて並べるだけで、すばらしい置物となるのです。秋になりブンタンを味わう季節になると、その種を集めてどうやって育てようか考える、こうして40年間植物と共に歩んできました。

彼女は30年来、さまざまな方法を用いて種をそれぞれの美しい姿へと綻ばせてきました。種の鉢植えをたんなる机上の観賞物から、アートの殿堂へと押し上げたのです。とくに評価されるべきは、彼女が導いてきたこれらのアートは、一般市民の生活に溶け込み、環境や人を浄化させ、さらには植栽の過程において人生のさまざまな学びを習得できるものにしたことです。

美しいものはつねに人々の注目を浴びます。大自然の美しさを記録するために、植栽アーティスト自ら細やかな撮影テクニックを磨き、書籍中で100枚以上にのぼる種と鉢植えの美を共有しています。また、作家の緑に囲まれた禅の境地もすべて林恵蘭先生の手によるものです。そして、これらの小さな生命たちは奇跡を生み、デジタルアート界の先輩たちの心を揺り動かして、詩を詠ませ、自然の美を詠わせました。

種の鉢植えアートは、自然とアートの美を融合させる命の創作であり、大自然とセンシティブな魂のハーモニーの共鳴するアリア、つまり旋律的独唱曲です。